2024.01/27 パーコレーションを学ぶPython入門
来月2月14日と21日に下記セミナーを行います。時間帯は10:00-16:00です。途中昼休みが入ります。
技術開発において、現象を科学の方法でとらえることが20世紀に重要視されたが、21世紀となってもすべての現象を形式知で記述できるわけではない。そこでAIとビッグデータを活用し、回帰や予測、分類による特徴抽出を行おうという研究、マテリアルズインフォマティクスが2010年代に盛んになり、2017年にはアカデミアでデータサイエンスの講座設置ブームが起きている。
ところで現象を数理モデルで把握し問題解決を図る方法は、厳密な意味で科学の方法ではない。例えば、レオロジーの問題をダッシュポットとバネのモデルで解こうとする研究が1980年まで活発に研究されたが、この方法では緩和現象を説明できなかったので学会で議論されなくなった。
しかし、非科学的であっても現象の振る舞いを何らかの数理モデルを用いて考察する方法は、科学で未解明な現象に潜む問題についてモデルベースで対策方法の予測ができ、技術開発スピードを加速させる。
本セミナーでは、絶縁体高分子に導電性微粒子を分散した時に生じるパーコレーション転移を取り上げ、その閾値における大きなばらつき現象を独自のモデル化によるプログラムでシミュレーションを行い、配合設計における問題を解決した事例を紹介する。そしてこのモデルで用いたプログラミング過程を解説し、データサイエンス分野で今後も主流となるプログラミング言語Pythonの学習を行う。
プログラミング言語の学び方として、すでに開発されたプログラムを基にスキルを身に着ける方法は、実戦的であるとともに効率が良い。
また、導電性薄膜のインピーダンスが低周波領域で異常分散する現象について、同様に数理モデルによる解析を行い、パーコレーションと関係していることが示され、新しい帯電防止層の評価技術を開発した事例も紹介する。この評価技術は非科学的であるにもかかわらず、開発成果のロバストを示すパラメータとなった。この事例からモデルベース開発手法について理解でき、コンピューターによる問題解決でPythonの活用法を学べる。
なお、本セミナーで使用するプログラムのエンジン部分について参加者には事前に無料配布し、今後もデータサイエンスにおける中心的言語と位置付けられたPythonの初歩を解説する。
<費用>
テキスト及びプログラミングコード付参加費用:3万円(税込)
別途質問専用枠オプション付:5万円(税込)
<目次>
1.シミュレーションによる問題解決事例
1.1.シミュレーションの役割
1.2.パーコレーション転移
1.3.事例:酸化スズゾルを用いた帯電防止層
A.何が問題だったのか
B.シミュレーションで分かったこと
C.数値シミュレーションとコンピューターモデル実験
1.4.事例:半導体無端ベルトの押出成形
A.科学と技術
B.Wパーコレーション転移制御
2.プログラミング言語概論
2.1.コンピューターの仕組みとプログラミング言語
2.2.プログラミング言語の歴史
2.3.オブジェクト指向の考え方
2.4.Python概論
3.パーコレーション転移シミュレーションプログラム作成
3.1.変数と組み込み型
3.2.条件分岐とループ
3.3.関数
3.4.ファイル処理
3.5.クラスとオブジェクト指向開発
3.6.まとめ:パーコレーション転移シミュレーションプログラム
4.まとめ:Pythonによるプログラミング
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