2024.02/24 トヨタグループの不正の本質
一連のトヨタグループの不正に関し、第三者委員会の調査書が公開された。日経デジタルはじめ各紙にニュースで報じられているが、各紙は日本の経営の歪をその原因に挙げている。
セクショナリズムとか現場との断絶が、そこで論じられ、旧態依然とした不変の問題、というのが各紙の見解である。
しかし、時系列で見ると2014年以降に増えている点について、あまり深堀されていない。古くは1980年代からトヨタグループとして活動が始まってから不正が始まるのだが、2014年以降の増加は別の要因があるはずだ。
この時系列の問題と不正が社内で公然と行われてきても、それが大きな問題とされてこなかった点ももう少し深く考えなければいけない。
ゴム会社と写真会社の二つの会社に勤務した経験から、今回の調書に書かれた日本企業の共通した歪という見解に納得するが、それだけではない。時系列的に眺めたときにトヨタグループ特有の問題が見えてくる。
EV化の世界的潮流の中で、トヨタは内燃機関から燃料電池まで未来の自動車用動力源について全方位で開発を進めようとした時期と不正が多くなった時期とが一致している。
トヨタの戦略に対し、社内も含め十分な議論がなされていないのではないか。特に中間管理職がトップの戦略を理解し、不足する資源を提案する立場にあるはずだが、それがうまく機能していなかった可能性がある。
イノベーションが起きようとしているときにトップが明確な戦略を提示しても、ミドルが機能不全では戦略の遂行が難しいだけでなく、描かれた戦術が見せかけだけのハリボテ戦術となっていることがある。それをトップが見抜けなければ、担当者が適当に仕事を流す今回のような状態になる可能性がある。
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ドラッカーは、貢献と自己実現を働く意味とした。中間管理職の立場でこれを遂行しようとしたときに悩んだ体験がある。自己の体験から組織において貢献の理解が難しく悩ましいのが中間管理職である。
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