2024.03/04 プラスチック製品のトラブル
ゴム製品のトラブルでは、難易度が高い場合に解析困難となる。しかし、熱可塑性樹脂、いわゆるプラスチックでは、何らかの答えを出せる。
加硫ゴムでは添加剤の種類が多いだけではなく、ポリマーブレンドで設計されている場合もあるので、ポリマーの同定が難しくなる場合もある。このような問題では、経験知から推定することになる。
ゴム会社の研究所に勤務していたので、ゴムに関する高度な分析技術とレベルの高いスタッフでも科学的に解析できない問題があることを見てきた。
それでも品質問題では繰り返して起きるトラブルでは、情報が集まってくるので科学的な結論とはならないが経験知の蓄積から対策をとれるようになる。
このような現場を見てきたので、写真感材のさらに難解な品質トラブルに遭遇しても勘所を押さえ、問題解決できた。難解さには、情報が少ないために難解な場合と間違った問題を設定して自分で問題を難解にしている場合がある。
プラスチックのトラブルでは、間違った問題を設定しない限り、ゴムのように解決できない、という問題に遭遇したことは無い。20年近く前の話だが、なんでもケミカルアタックにしてしまうコンパウンドメーカーには驚かされた。
科学の形式知ができていないことに甘えてはいけない。そのような姿勢では、良い品質の製品を送り出すことはできない。
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