2024.03/12 データサイエンスの効果的活用法(1)
日本でマテリアルズインフォマティクスが普及して10年になるが、当方は50年近く前から、すなわち大型コンピューターの時代からデータサイエンスを活用して研究を行ってきた。
きっかけはゴム会社で体験した新入社員研修のテーマで、多数のデータの変動の中に発見があったからである。グループ研修で、皆で手分けして集めたデータをどのように解析し、まとめるのか、は指導社員が教えてくれた。
それは、普通に行われている現象から得たデータを仮説に基づき、ただグラフ化するだけの作業だった。その結果得られた結論は、バイアスタイヤよりラジアルタイヤの方が軽量化されている、という当たり前の結果だった。
当時、バイアスタイヤからラジアルタイヤへの移行期であり、これで研修の目的は達成されていたのだが、1か月半の作業で多数のデータが集まっていた。それらのデータを仮説と異なる視点で眺めてみると何か全体の変動に傾向がありそうに見えた。
そこで当方はデータの中に仮説以外の隠れた情報を抽出する方法は無いか問題提起したところ、できたばかりの情報工学科を卒業した同期A君が、データサイエンスの話をしてくれた。
そして、多変量解析がその目的に使用可能との説明をしたので、すぐやろうということになった。そうしたら同期A君は、ソフトウェアーが必要だから無理だと言い出した。
指導社員がそれを聞いて、コンピューター部門と調整してくれて、POSシステムで使われていたIBM3033の統計パッケージ解説書マニュアルを持ってきてくれた。すべて英文で書かれていた。
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ただし、プログラムの操作方法だけだった。A君に皆の視線が集まって、それは、A君による多変量解析の説明があれば、すぐにできる、という雰囲気で一致していた。
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