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2024.03/20 データサイエンスの効果的活用方法(7)

日本でマテリアルズインフォマティクスが流行して10年になるが、うまく活用されているだろうか。マテリアルズインフォマティクスと舌を噛みそうな分野名だが、要するにデータサイエンスで材料科学に新たな知を確立しましょうという意味である。


この10年は第3次AIブームでもあり、深層学習の手法花盛りとなったが、必ずしもその手法がベストではないことを御存じだろうか。


もし、現象に潜んでいる機能が単相関でグラフ化できるならば、多変量解析でさらっと問題を解いた方が良い。またデータも少なくて済む。


当方が、科学で否定証明された電気粘性流体の耐久性問題を主成分分析で解いたのは、300個ほどのデータを使っている。一番時間がかかったのはMZ80Kにデータを打ち込む作業だった。


8ビットCPUで300個のデータを多変量解析するのに1時間もかからなかった。これを例えば深層学習で良く用いられるアルゴリズムを使用するならば、その最適化のために1週間はかかったかもしれない。


本日日本化学会の年会で昔開発したホウ酸エステルとリン酸エステルの組み合わせ難燃剤の解析について、今の時代考えられるデータサイエンスの手法3種で行った結果を発表している。


この時、深層学習のアルゴリズム最適化には1日もかからなかった。1週間程度の研究成果をB講演で行っては顰蹙を買うかと思っていたら、それなりに関心を持っておられる方から挨拶を受けて感動しました。


若い時に小生が学会で発表した講演では、必ず部屋が満員になってそれなりに満足していましたが、本日は休日の朝いちばんの影響もあるかもしれないが、まばらでした。それでも丁寧に聴いてくださった方がおられ聴講者の数ではないことを改めて納得しました。


若い時には、ゾルゲル法やセラミックスフィーバーの最先端研究をテーマとしていたのでそれなりに小生の研究に関心が集まっていたと思われる。またセミナーを依頼された時にも40人以上集まるほどの人気者でした。


コニカへ転職後、部下にもこの感動を、と思って学会活動に力を入れようとしましたが、ゴム会社とは異なる風土のため、少し遠慮しました。それでも部下の一人が講演賞を受賞してくれたり、写真学会の招待講演のきっかけを作ってくれたりと、あまり書きますと自慢話になりますのでここまで。

カテゴリー : 一般

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