2024.04/08 データサイエンスと私(2)
大学4年時に在籍した有機合成の講座は、優秀な研究者ばかりでレベルが高かった。卒業後DICの役員になられた方や、相模中央研所長になられた方、東工大教授になられた方などが同じ研究室にいた。
有機合成デザインをコンピューターで行うコーリーが推進していた研究の話題が、時々雑談で行われていた。最初はそのような話題について行けなかったが、その後当時について名づけられた「第一次AIブーム」となるような状況を説明した本を読み有機合成デザインだけでなく、様々な材料設計にコンピューター導入の研究がなされていることを知った。
大学院ではSiCウィスカーの講座で無機材料を有機合成の手法で合成する研究を行っている。いわゆる無機高分子の研究だが、この講座では、4年の時のような先端の話題が無かった。必死で先輩の話題についてゆく努力が不要だったので気楽だった。
ゴム会社に入社し、1か月半のグループ研修で情報工学出身者から情報工学についてご指導していただいた。この同期のおかげでデータサイエンスを業務に取り入れる動機ができた。
また、新入社員研修で多変量解析をIBM3033の統計システムで行った経験談は、以前この欄で書いているので省略するが、当時情報工学科ができたばかりであり、その学問の姿がよくわからない時に、この同期から聞いた話はその後の勉強の手引きとなった。
すなわち、情報としての「データ」の重要性であり、「データ」から有用な情報を取りだす技術が情報工学である、というアルゴリズムが中心だった時代に大変勉強になった手引きを同期から学んだ。
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