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2024.05/12 科学と技術と芸術と(6)

転職して1年ほどたったときに印刷会社からクレームが来た、というので担当者に連れて行ってもらった。デジタルワークフローが普及し始めた頃で、刷版などに技術革新が起き始めていた。


それと同時に、フィルムの現像処理後の帯電防止性能が重要になってきた。ほんの小さなゴミでも許されなくなったのだ。たまたまクレームで見学した印刷所では、ヘアーヌード写真集を印刷していた。


クレームは、毛の一本にゴミが付着するというものである。おそらくほかのところに付着していたなら気がつかないであろうゴミである。これ以上は書かないが、とにかく印刷物の高精細化とデジタルワークフローが重なり、ほんのわずかなゴミの付着でも問題となる時代になった。


半導体のような無塵室で印刷を行えばよいのだが、印刷所はそれほどクリーンではない。ゆえに現像処理後のフィルムの帯電防止性能が悪いとすぐにゴミが付着する。


写真フィルムでは感光層と同等に帯電防止技術が重要であり、当方は帯電防止について専門家になれるぐらいに勉強を始める動機づけになった。


転職前に電気粘性流体を3年ほど扱っていたので、帯電現象についてある程度の基礎知識を持っていた。しかし、転職して芸術と技術の接点としての帯電防止技術の重要性に気がついたのである。


努力の甲斐があり、印刷学会や日本化学工業協会から賞を頂けるレベルまで成果を出すことができた。帯電防止技術でお困りの方はお問い合わせください。

カテゴリー : 一般

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