2024.07/24 トヨタが海外へ本社を移したらどうなる?
今回のトヨタの不祥事における記者会見で、「日本を出ていきたくなる」と会長が回答し、それがニュースとして報じられた。
トヨタ会長については様々な評価があるが、企業リーダーとして成功した人で、イノベーションが進行する自動車業界にあって、的確な指針を示している。
「日本を出ていきたくなる」発言は、売り言葉に買い言葉で答えた意見のようで、記者の質問に失礼があったのだろう。おそらく本音ではないが、言ってはいけない言葉と思っている人は多いのではないか。
トヨタが海外に出てゆけば、日本経済は破綻することが明白なので、今回の発言は余計に言ってはいけない言葉となる。しかし、不祥事を犯したのだけれどもう許してほしい、という気持ちから出てしまったのだろう。
かつて、トヨタと日産が競っていた時に、旧通産省はどちらかが日本に残る政策を行っている。その結果、日産は日本に本社を置きながら海外進出を加速させ、失敗し、現在に至る。それ以来当方は応援のため技術の日産車に乗り続けている。
トヨタが今海外に出るという意味は本社機能を海外に移すことである。その結果どうなるかは自明である。企業の不祥事があった時の記者会見では辛辣な意見が質問として出てくる。やはり、その質問の内容は、影響を考えてすべきだろう。
忖度の無い質問をカッコいい、と思っている新聞記者は多いようだ。しかし、国民が心配するような言葉を引き出すような質問は、いかがなものかと思う。
あの大トヨタをこの際、徹底的に攻撃してやろう、と考えるマスコミも一部いるかもしれない。しかし、考えていただきたい。トヨタが不祥事を改善できず、このまま沈没しても日本経済への影響が大きいのだ。
ここは、不祥事を起こした体制を立て直そうとしているトヨタをマスコミは激励しなければいけないのではないか。
社会に出て身に染みて感じたのだが、日本は、頑張っている人を叩く風土である。そのためバブル崩壊後なかなか立ち上がれない。
ゴム会社に入社し、研究所へ配属されて、混練の神様と呼びたくなるような優秀な指導社員が昇進で遅れていることを不思議に感じた。しかし、その後頑張れば頑張るほど叩かれたので、それが研究所の風土の結果であると納得できた。
セラミックス事業を起業した時には、トップ経営陣は応援や激励をしてくれたのに、多くの管理職から徹底的にいじめられ、挙句の果ては、研究所の共通エリアに置いていた機器を管理職権限で廃棄する妨害やデータFDの破壊のような嫌がらせまで行われている。
研究所のミッションとして新規事業の育成が求められており、セラミックスフィーバーの時には、電池とメカトロニクス、ファインセラミックスが新事業の3領域として定められた社長方針が出された。
当方は、高純度SiCの事業立ち上げを推進しながら乞われるまま、電池と電気粘性流体のテーマを手伝っている。しかし、成果を出すたびに嫌がらせを受けた。当方は住友金属工業とのJV立ち上げ成功後転職している。今回のトヨタ会長の気持ちはよくわかるので、出ていかないで欲しいという気持ちで書いている。
ちなみに、転職後見捨てた電池と電気粘性流体のテーマは影も形もなくつぶれたが、転職後も応援し続けた高純度SiCの事業は2018年までゴム会社で存続し、今も愛知県にある(株)MARUWAで事業が継続している。
転職後の当方の応援を示すエビデンスが残っているので機会があれば公開したい。頑張っている人を応援するような国に変わって欲しいと思うのは、当方だけだろうか。もっとも、当方が応援していた人からは、業務が順調になってから、お礼ではなくもう小平へ来なくてよい、という手紙が来ている。
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