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2024.07/25 信頼

オリンピックを辞退した宮田選手の話題が毎日掲載されている。やはり、それだけ社会に対するインパクトが大きかったのだろう。


ここで心配になってくるのは、体操協会はじめ関係者と宮田選手との信頼関係である。禁止されていた酒タバコをやっていた本人が辞退を申し出たのだから、何も問題は無いと思っていたら大間違いである。


日本体操協会は、現地における内部告発、と明確に言いながらも、告発者を守るためにそれを開示しないと言っている。しかし、現地にいる人間とNTCに出入りできる人間は限られている。


恐らく宮田選手は内部告発者に気づいているだろう。そこで問題になってくるのは、信頼関係である。指導する側と指導される側との信頼関係は重要で、それが崩れると指導効果は上がらない。特にコーチングでは信頼関係の構築が重要である。


これは、FD事件の被害者となっているときに指導社員として新入社員に3か月ほどで転職されて痛切に感じた。組織からいじめられている指導社員を新入社員がどのように見ていたのか。


偶然にもその新入社員が助手を務めていた大学と当方の転職先とで共同研究を行うことになり、偶然出会った。そして当方は彼のおかげもあり、客員教授に任命されている。


この時ぐらい、指導者がいくらつらい立場にあっても、それを隠して我慢して行動しなければいけない掟を痛切に感じたことは無い。当方は指導者として未熟だったと気づいた。


トヨタ会長の「日本を出ていきたくなる」発言が批判されるのは、このような気づきを学びに変えていない指導者の姿が見えてしまうからだろう。指導者に対して社会は聖人であることを求めている。


それだけに、宮田選手の将来が心配になってくる。指導者との信頼関係をうまく構築できなければ、体操選手としてだけでなく、人間としての成長も期待できない。今回の辞退が無駄になってしまう。

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