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2024.07/27 実験のやり方(1)

科学の方法に従う実験のやり方では、仮説を確認するために一因子実験となり、その実験で仮説が否定されるように計画を立てる。統計で帰無仮説を設定するようにあらかじめ否定される仮説を立てて実験で確認する。


このように、一因子実験が一般的であり、さらに他の因子からの影響を受けないように実験を仮説の扱いに添うように管理して行わなければいけない。


科学の方法以外、すなわち非科学的方法には様々な方法があるが、仮にこれらを技術の方法と呼びたい。科学の方法は論理学の誕生により生まれており、技術の方法は、ピラミッド建設事例など古くから行われている。


フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのリアクティブブレンドによる高純度SiCの開発において最初の実験は、配合の異なる4種類の前駆体を同一条件、同一水準の加熱処理で行われた。


しかも、温度コントローラーが途中で暴走したために非常停止して得られた特殊な熱処理条件となったのだが、これがベストの条件という、まさにセレンディピティーによる方法となった。


この方法をこの欄の読者に勧めても軽蔑されるかもしれないが、誠実真摯に生きていると、時々神様か仏様、その他人知の及ばない力に遭遇する。


例えば、PPS/6ナイロン/カーボンの配合をカオス混合で製造したコンパウンドにより、半導体無端ベルトの歩留まりが10%から100%に向上したのだが、これは、フローリー・ハギンズ理論で否定されるPPSと6ナイロンの相溶が起きたためである。


その結果わずかに生じたスピノーダル分解により、あたかも分配混合が進んだかのようなカーボンの分散構造のコンパウンドが製造された。

カテゴリー : 一般

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