2024.08/06 粘弾性測定
この測定方法は、高分子材料をバネとダッシュポットの粘弾性モデルで表す考え方から考案されたと聞いている。1970年前後に測定装置の開発が行われていたようだ。
1979年にゴム会社へ入社してしばらくは、指導社員O氏の開発されたミニコン制御のスペクトロメーターと呼ばれる粘弾性装置を実験で使っていた。
1980年代になり、バイブロンが導入された時に、先端の測定装置がようやくゴム会社に入った、と喜んでいた人がいた。また、その担当者は、壊れるといけないのでレオロジーを知らない人間には使わせない、と言っていた。
このような状況から、現在のような粘弾性装置は1970年頃から企業で使われ始めたのだろう、と推定している。
ところが、ダッシュポットとバネのモデルでは、1970年代から高分子のクリープを説明できない問題が指摘され1980年代に破綻した。ゴム会社では、1970年末にこの考え方は、研究所で排除されたそうだ。
当方は1979年にゴム会社へ入社し、10月に研究所へ配属されたが、O氏は、京都大学出身の優秀なレオロジストで、小生が初めての部下だった。
その方から、高分子のレオロジー研究において、粘弾性モデルでクリープを科学的に扱えないという理由により不適切であること、その結果、粘弾性試験装置の測定結果について考え方も変わるかもしれないと教えられた。
また、ゴム会社の研究所ではダッシュポットとバネのモデルは過去のモデルであり、ゴムの粘弾性について新しいモデルを研究しなければいけない、と指導された。
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