2024.09/30 産業革命の総仕上げの時代
現代を「産業革命の総仕上げの時代」と称した情報工学の学者がいる。ご存知のように蒸気機関の発明とともに産業革命が起きている。この時、「科学」という偉大な哲学が誕生した。
産業革命が先か科学が先かは、マッハ力学史を読むと、科学と非科学に関する考察から、蒸気機関の発明が産業革命を誘導し科学はそれを加速したことになる。
科学に関して日本における最近のブームは、1970年代に起きている。様々な科学論の本が出版され科学について議論されたが、その時科学者ではない科学評論家が日本では雨後の竹の子のごとく誕生している。
また、女性科学評論家のアイドルも誕生し、週刊誌はそれを持ち上げた。男性週刊誌のグラビアまでも賑わしたので、これはブームというよりフィーバーなのかもしれない。
1980年代にはセラミックフィーバーが起きナノテクブームへ移行する。残念ながら1990年代のバブル崩壊で日本における科学フィーバーは終焉する。この分野のアイドルも年をとり、忘れ去られている。
1970年から1980年代の一大科学フィーバーはアメリカの影響によるところが大きい。またセラミックスフィーバーがナノテクブームへと移行し今日まで続いたのもアメリカの影響である。
ご存知のように20世紀末に日本の状況に驚いたクリントン大統領がナノテクノロジーとバイオリファイナリー(バイオポリマー)の国家戦略に調印したことが日本に影響を与えている。
日本では、精密制御高分子プロジェクトや藻類のプロジェクトが推進されたりしたが評価されることなくナノテクとバイオリファイナリーでアメリカに差をつけられる。それだけでなく、新たに起きたGAFA勢力により推進された第三次AIブームで後塵を拝することとなった。
そこへ、「産業革命の総仕上げ」と唱える日本の学者が現れたのである。もう少しこの学者に注目した方が良い。弊社は科学と非科学が共存する時代と言い続けている。これは1970年代に雑誌サイエンスに投稿された「サイエンス&トランスサイエンス」を考察し続けた結果である。
残念ながら日本でトランスサイエンスが注目され始めたのは21世紀になってからであり、20世紀末の日本の科学ブームは似非科学評論家の跋扈により、トランスサイエンスが置き去りになって進行している。
カテゴリー : 一般
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