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2024.10/21 開発体制の陳腐化

開発体制の陳腐化とは、時代の進展により従来の開発体制では、技術開発のスピードなり技術内容が市場に合わなくなってきた状態である。


ゴム会社に入社した時に1-2年ごとに、研究所内の組織が変わった。当方が高純度SiCの事業を始めたときなど当方の上司は毎年変わり、そのたびに仕事の説明をしなければならず、大変だった。


結局当方一人になって、住友金属工業とのJVとして高純度SiCの事業が立ち上がってゆく。本部長が交代し、突然おかしな事件が起きるようになって、当方含め3人が転職する事態になる。


このあたりの詳細については、書き残したいと思っているが、あまりにも小説よりも奇なる実話であり、人間の強欲がさらけ出されたような事件および顛末なのでその書き方には迷いがある。


おまけに論文や学会賞など公開情報と対応しているので人物名も明らかとなり、書くことに戸惑いがある。やや話がずれたが、U本部長の時、研究所の陳腐化した状態に悩まれており、毎年組織を変更されていた。


当時U本部長の悩みは、今から思えば管理職がそれなりの勉強をしていなかっただけの話で、企画会議で「女学生より甘い!」とU本部長が管理職たちを叱ったのも理解できる。


当時から時代は動き始め、そして現在の産業革命の総仕上げと言われる時代になったのである。この40年間は大きなイノベーションが起きていてU本部長はその変化の始まりを感じ取っておられたのだ。


U本部長の前のY本部長の時に「花王のOAパソコン革命」というとんでもない本がベストセラーになっている。そして、この本のおかげで当方は新入社員であり、その月給10万円の時代に80万円のローンを組まされてコンピュータを1セット購入させられた。


本には、16万円でOA化可能なパソコンが買える時代になった、というウソが書かれていた。今ようやくそのような時代になったのだが、当時はプリンターにFD、OSなどを揃えると100万円前後かかったのである。

ところが、U本部長と真逆な不誠実なY本部長の頭の中はお花畑であり、16万円なら少し残業すれば新入社員でも買えるような価格ではないか、と当方の上司に話したのがきっかけだった。


しかし、「花王のOAパソコン革命」のいいかげんな内容のおかげで、当方はデータサイエンスを必死で勉強する機会を得た。花王に感謝しなければいけないのかもしれないがーーーー。


イノベーションが起き、時代が変革している時の経営は大変である。「花王のOAパソコン革命」の著者は花王のコンピューター部門の部長で、同僚と面会しているが、「あのくらいの表現をしないと世間には伝わらない、ワハハ」と笑っていた。しかし、カローラデラックス1台分のローンを組まされた立場からすれば無責任に見えてくる。

カテゴリー : 一般

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