2024.10/23 女性管理職の問題
女性管理職が次々と辞めた会社が話題になっている。また、女性管理職からの相談で悩んでいる企業もあるそうだ。女性活躍社会が目標となって、各社女性管理職を30%以上にしようと努力された結果のニュースのようだ。
あるコンサルタントは、 (1)過剰な期待と過少なサポート (2)ワークライフバランスの破綻 (3)昇進の天井と成長機会の欠如を女性管理職が退職する原因だという。
女性管理職を増やそうとして、そもそも企業の管理職という職群が抱えていた問題が顕在化したに過ぎないのだが、とにかく女性が生き生きと活躍していないと社会から企業が評価されないということで各企業は、この問題に必死に取り組んでいる。
しかし、ここで冷静に考えていただきたい。これまで管理職の登用とその処遇に問題は無かったのかということを過去にさかのぼり、整理してみる必要がある。
理由は、共通する課題と、企業の人事制度特有の課題と2種類存在するからである。後者は女性管理職に限らず、男性管理職でも問題があったはずであるが、それが顕在化しなかっただけである。
新入社員時代に男性の指導社員に3か月、女性の指導社員に1年半お世話を頂いた。その立場から感想を申せば、上司が男性であろうと女性であろうと指導能力が無ければだめである。
男性の指導社員の方は昇進の遅れた方であったが、それが能力が原因でないことは指導していただいてよく理解でき、ゴム会社の研究所における人事の問題を知ることができた。
すなわち、新入社員研修で能力主義の会社と説明があっても、能力や成果で昇進が決まっていない事実である。一方で女性の指導社員は冷めた方で、そのあたりを理解されていて、私が昇進できるように頑張って、と激励された。
美人に激励されれば男であれば頑張るのである。話がそれたが、明らかに研究所内の人事制度の運用をおかしく感じた。
それは高純度SiCの発明によりさらに顕在化し、入社し12年後には転職するのだが、「女性管理職特有の問題」として捉える前に、そもそもの人事制度が組織として誠実に運用されているのかどうかから見直す必要がある。
人事制度では、人が人を評価する矛盾を抱えている。それゆえ、多面評価が多く用いられるようになるのだが、この多面評価では評価者の選定、すなわち運用方法が問題となる。
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