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2024.10/27 オーディオ評論家

50年以上前から30年近く前まで、この職業は結構儲かったらしい。50年近く前にはオーディオ装置の発表会などが各地で行われ、各メーカーごひいきの評論家が蘊蓄を垂れていた。

今から思えば怪しい人たちだが、そのような評論家の存在により、オーディオ装置の開発競争が繰り広げられた。学生時代に、良いオーディオセットが欲しいと思い、オーディオ雑誌を手にショールームへ足を運んだが、これぞと思うオーディオセットに出会わなかった。

ショールームにはかわいい案内嬢がいて、結局そちらに目が奪われてオーディオ装置をうまく選定できない。義理の兄がOTTOの開発をやっていて試作品をよく我が家へ持ち込んでいた。理由は当方の勉強部屋の天井や壁が音響効果を考えた造りになっていたからである。

この壁には石綿が入っており、実家を壊すときにこれが少し費用を高くする原因となり後悔したが、当時は義理の兄が試作品を持ち込んでくれる楽しい場所だった。

この時のテストの様子を見ていたので、当時のオーディオ評論家の意見が胡散臭いものと感じたのだが、とにかく実験室とユーザーの環境で聴こえ方が変わる問題がある以上、オーディオ評論家の意見は参考とならない。

特に6畳前後の部屋で聴く場合や、デスクトップスピーカーとして聴く場合、10畳以上の部屋で聴く場合に最適なスピーカーは異なる。デスクトップや6畳前後までならマルチウェースピーカーよりもフルレンジスピーカーか同軸スピーカーが好ましい。

昔のオーディオ評論家はこのような区別をお構いなしに評論を述べていた。そのようなレベルの評論が掲載されたオーディオ雑誌でも飛ぶように売れた時代があった。

一方で長岡鉄夫という自作スピーカーを専門とする評論家もいた。彼は実際にスピーカーを自作しながら、理想のオーディオを追及していたので、口先だけの評論家とは一線を画す。

多くの評論家が一つの体系で科学的な香りで適当なことを述べているのと異なり、彼は自分の製作したスピーカーの長所と短所を語り、実践に基づく評論で一定のファンを持っていた。

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