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2024.10/29 PETの射出成形体

樹脂のリサイクル材の中でPETは、PETボトルのリサイクルシステムが出来上がっているので、扱いやすい。ただし、射出成形体として活用しようとすると多少の技術開発が必要となる。


そもそもPETは、良好な射出成形体を得るのが難しいために、フィルムやブロー成型によるボトルとして活用されてきた。ポリマーアロイPC/PETは、PET含有率が30%前後であれば、力学物性も良好な射出成形体が得られるが、PETが60%以上のポリマーアロイになると力学物性が怪しくなる。


それだけではない。射出成形そのものが難しくなってくる。しかし、PETが70%以上含まれるポリマーアロイは再生材比率が高い環境対応樹脂としてニーズが高いので、新たなポリマーアロイを開発する価値がある。


この開発で苦労するのは、樹脂の靭性(脆さ)をどのように改良するのか、あるいはどのように力学物性としてバランスのとれた樹脂を設計するのか、という点である。


最初に書いたようにPETで良好な射出成形体を得ることは難しい。ゆえに射出成形しやすくするために、結晶化速度の制御や粘度の温度依存性の制御を添加剤で行う。これを目的とした特許もいくつか出ている。


実際に開発した経験でこのあたりについて書き始めると長くなるし、意外と文献があてにならないので、ご興味がある方はお問い合わせください。

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