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2024.10/30 新材料開発にかかる時間

これはターゲット材料によりさまざまである。未知の材料であれば、いつできるのか不明の場合もある。それで、当方は、3か月と1か月、3日、1日という体内時計を使っている。


すなわち、目標を定めて1日でできた経験もあれば、3日かかった経験もある。長ければ1カ月である。但し、3カ月以上かかる時は、ペンディングにして頭を冷やして考える期間を設けている。


例えば、高純度SiC前駆体ポリマーは、構想から2年かかっているが、仕切り直しを行って1日で前駆体ができ、3日で高純度SiCができている。


初めてポリエチルシリケートとフェノール樹脂とのポリマーアロイを混ぜ合わせたとき、3日かけても相分離し、満足なものができなかった。いろいろ調査しながら実験を行い、3カ月過ぎた。1980年頃である。


フェノール樹脂天井材の開発を終えた1983年初めに、開発で用いたフェノール樹脂の廃棄作業を一人で請け負い、同じく廃棄対象のポリエチルシリケートと混合しながらゲル化し、廃棄物の姿にしていた。


このとき直交表を用いて触媒の酸やアルカリ、温度条件を大胆に変化させて、廃棄物処理を行ったところ、ある領域で、安定して透明な液体が得られる条件が見つかり、触媒の有機酸の量を注意深く変量したところ均一状態でゲル化した。


すなわち、3カ月かけてもできなかった均一なポリマーアロイが1日でできたのである。これで、新材料というものは、できるときには1日でできるという自信がついた。


電気粘性流体の耐久寿命を改善する技術も1日でできている。この電気粘性流体の傾斜材料も1日でシーズが生まれ、3日で芽がでて、1カ月で果実となった。


昨日のPETのポリマーアロイもデータ駆動の実験をするために3回中国出張をして完成している。中国で行った理由は人海戦術を使えたからである。次から次へと配合をストランドとし、ペレット、そして射出成形、物性測定と毎月10人かけて実験を行い、30種ほど配合を検討している。


この時仮説など用いず、ただひたすら、データ駆動により、良い方向へ配合設計しながら、難燃剤を用いずにUL94-V2試験に合格する処方を見出した。3カ月でできるかどうかは、体感で判断できた。

カテゴリー : 一般

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