2024.11/02 調査(2)
研究の調査には文献検索以外に現象からテーマを導き出す作業の二通り存在する。40年以上前にゴム会社で研究が始められた電気粘性流体は、当時から40年前にウィンズローが発見した現象を利用しており、研究論文が多数存在していた。
それで実用化が近いと判断されて研究所のテーマとして6年研究が行われたが、6年目の研究で「電気粘性流体の耐久性問題は界面活性剤で解決できない」という科学の典型的な否定証明を完成させている。
そこから、「加硫剤も可塑剤も添加されていない加硫ゴム開発」というとんでもないテーマが設定されている。ゴム会社の研究所でこのような企画が生まれたことを画期的ととらえるのか、馬鹿げたこと、情けないことととらえるのかは、ゴムについて知識がどれだけあるかに依存するだろう。
当方は常識的な人間なので、これを馬鹿げたとんでもないテーマととらえ、そもそも調査研究として行われた電気粘性流体の耐久性問題(そもそも研究の最初の段階で当方ならこの問題を検討するが。)の解決を一晩で達成している。
調査研究をどのように行えばよいかについて書かれた本は多い。しかし、そこから結論を導き出しても、それを正しく評価する方法を述べた本はドラッカーの著作ぐらいである。
ただし、今ならばデータサイエンスの手法が、調査の各段階で有効であり、この手法をどのように活用するかにより、調査研究の成否が左右される。
ちなみに電気粘性流体の問題を一晩で解決できたのは、依頼してきた人物が情報を見せてくれなかったので、界面活性剤のカタログデータをデータサイエンスで解析して結果を出している。
情報を統制し、課長補佐格まで昇進していた人材を奴隷のように使おうと考えるような研究所の風土だったので、一晩で問題解決することに拘って、徹夜で実験している。
また、当時住友金属工業と高純度SiCのJVを始めた頃であり、今後出てくるであろう電気粘性流体の性能向上のために、傾斜機能粉体や超微粒子分散粒子などの特殊な粉体を開発し、提案している。
当方が転職後、傾斜機能粉体と当方が発見した界面活性剤を用いた処方でテストマーケティングを行ったらしいが、その結果磁性流体より劣るとの結論となったらしい。これも情けない調査結果である。
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