2024.11/06 全自動酸素指数測定器の思い出(1)
入社し9か月後に配属された研究グループは、新製品を科学的研究成果として世の中に送り出したばかりで活性が高いだけでなく、研究設備も科学の最先端設備が揃っていた。
極限酸素指数法(LOI)がJIS化される前の時代に開発された、「全自動酸素指数測定器」という科学の成果がホコリをかぶったまま放置されていた。
科学の誇り、ではなく、使い物にならなかったのでホコリをかぶっていたのである。LOIは別名「ろうそく試験」とも当時言われていて、空気中における燃えやすさを指標にしたものである。
極限酸素指数値とは、サンプルが継続燃焼できる最低限の酸素濃度を指数化したものである。試験法は、酸素と窒素の混合ガスを一定条件で流せるように工夫したガラスの筒の中でサンプルに着火し、継続燃焼できるかどうか、を観察するだけの分かり易く、科学的にも再現しやすい燃焼試験である。
また、実火災が空気中で起きている点を考慮すると、LOIが21(空気の酸素濃度は約21%)以上であれば、空気中で燃えにくい、という感覚とも適合し、燃焼試験の本命と言われた時代もあった。
これを科学的な測定装置とするために機械で自動化し、実験者によるばらつきを無くすように改良した装置である。マイコンが登場したばかりであったが、まだ高価だったので、アナログ回路ですべて構成された自動化装置だった。
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