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2024.11/12 混ぜる技術の難しさ(1)

日常でも「混ぜる」という動作は、毎日行われている。例えば料理をしている人ならば、すぐにその動作を思い浮かべるだろう。料理をしていなくても、排泄ぐらいは毎日している。今や水洗便所は常識であり、排泄物の始末では、水流で排泄物を混ぜながら流している。


いや、あれは流しているだけだ、という人は、よく眺めていただきたい。水流は勢いよく乱流として流れている。それにより便器の水洗も行っている。すなわち汚れを水流に巻き込みながら流れているのだ。


これに気づくだけでも混ぜる技術の本質が見えてくる。ちなみに「混ぜる」と「混ざる」は異なり、後者は自然に進行してゆく現象であり、後述するSP値やχパラメーター、そして拡散係数が関わる問題である。


「混ぜる」技術の難しさは、「混ざる」かどうかとも関わる難しい問題である。これを味噌糞一緒に考えてはいけない。後者は熱力学の問題であるが、前者は熱力学とレオロジーの複雑な問題となる。


残念なのは、昔から大学で「混ぜる」技術は化学工学として教えられている。その結果、装置があれば、何でも「混ぜる」ことができる、と考えている人が多い。


装置があっても流動が起きなければ、2種以上の組成を「混ぜる」ことが難しい。みかけ、混ざっているように見えても混ざっていないことがある。


そもそも「混ざった」状態さえも理解できていない人がいるし、50年前の化学工学ではそれを教えていなかった。1990年代に入って「混ぜる」ことをコンピューターシミュレーションで行うようになって、学者も「まざった状態」の数値化を真剣に考えるようになった。

カテゴリー : 一般

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