2024.11/13 「混ぜる」技術の難しさ(2)
低分子の溶液論について、化学系の学生であれば、1年生の下期に物理化学の授業で学ぶ。物理化学については、50年前にバーローあるいはムーアの教科書が登場し、それまで熱力学中心の学問に量子化学も含めた分子論の視点で学ぶようになった。
50年前の授業では、宮原先生はご自分の書かれた書籍で授業を進められ、補助教科書として、バーローあるいはムーアの教科書を読むように勧められた。
写真会社に転職し、就職試験の面接官を始めて担当したときに、都立大学出身の女性受験者が、得意科目として物理化学と答えたので、バーローかムーアどちらで勉強したのか質問したら、バーローだと答えてきた。
それでは教科書の表紙の色は、とすぐに質問を返したら答えられなかった。ここはすぐに会社の制服と同じ青と答えてほしかったところだが、彼女には難しい質問だったのだろう。
バーローの教科書では、量子化学を1セクション割いて説明しているが、2000年に出版されたマッカーリとサイモンの分子論的アプローチと名ずけられた物理化学の教科書では、全編が量子化学である。
今物理化学を学ぶならば、この本が分かり易い。ただし、この本でも溶液論は熱力学による説明である。そして、バーローやムーア同様にSP値を扱っていない。
SP値やχを学ぼうとしたならば、溶液論の専門書か高分子物理の教科書を学ぶことになり、一気にレベルが高くなる、と表現すべきか、形式知から外れてくる、というべきか悩む。
カテゴリー : 一般
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