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2024.11/15 混ぜる技術の難しさ(4)

混ぜるには混合装置が必要である。混合装置とその運転条件により、発生する流動が変化する。この溶液で発生した流動により、2成分以上の物質が混ざるのである。

ここで、静置していても拡散で混ざるだろう、という人が出てくるかもしれない。その話は後日説明するが、拡散を主張される方は水と塩を混合せずに放置して均一になる時間を計測してみて欲しい。

見かけ上均一でも、10分ぐらいの放置では塩分濃度が不均一となっていることに気づく。また、すき焼きのシーズンになってきたが、砂糖を鍋の片隅に追加して放置してもすぐに皆が食べられる状態にならない。皆がおいしく食べるために攪拌操作が不可欠である。


ただし、その流動で混ざっているときの次元が問題となる。分子レベルで混ざっているのか、ある大きさのドメインを形成しながら混ざっているのか、という流動状態の構造サイズである。


分子レベルで混ざっている混合状態が、いつも良い状態とは限らない。創造したいオブジェクトに応じて、それを制御しなければいけない。例えば、単なる抽出操作を目的とする混合であれば、分子レベルまで混ぜると、不便あるいは不利な状態になる。


このとき希望する抽出相がうまく相分離してくれればよいが、溶媒和のため細かい懸濁状態で分散し、抽出に失敗する場合もある。あるいは、リアクティブブレンドで反応速度を制御したい時には、この混合時の次元は制御因子になる。


フェノール樹脂とエチルシリケートとの混合では、酸触媒を用いて高速剪断混合を行うが、反応が開始すると懸濁状態から透明になってゆく。酸触媒の種類や混合条件により、この現象は様々に変化し、反応を均一に進行させる混合状態を実現するためのOWは複雑で狭い。


これは、合成された前駆体を用いて高純度SiCの生成反応を速度論的に解析すると明らかになる。OWを外れた前駆体を用いると、高純度SiCの粒度分布が広くなったり、ひどい時にはシリカ不純物が残ってきたりする。

カテゴリー : 一般

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