2024.11/24 空気録音
最近「生録」のことを空気録音というらしい。新しいオーディオ技術かと思ったら、その場の雰囲気が分かるような録音方法をこのように言うらしい。
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ユーチューブなどのSNSで聴く音が何か新鮮に聞こえたためにこのような言葉が生まれ、それがオーディオを趣味とする人たちに広まって、そこに難解な蘊蓄が加わった怪しい言葉である。
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これをスピーカー評価に適した録音方法として勘違いしている人がいる。あるいは、スピーカー評価に使う時に、比較対象と区別できるように録音して空気録音で比較しました、とやっているケースもある。
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もしこれでスピーカー販売などしているならば詐欺に近い。昔オーディオ雑誌でスピーカーの性能を議論するのにどのようにしたらよいのか、座談会が載っていた。
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すなわち、無響室で測定された周波数分散や高調波歪率などの特性グラフを示しただけでは伝わらず、部屋で聴いた音を伝える工夫のような議論へ発展し、結局オーディオ評論家がうまく伝えるしかない、というところに落ち着いている。
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このオーディオ評論家もやや胡散臭い職業で、結局オーディオメーカーの太鼓持ちのようになってオーディオ市場そのものも衰退してゆく。
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そもそもオーディオ業界の衰退は、技術が進化し、ひどい音で鳴るシステムが見当たらなくなったためである。TVのスピーカーでも50年以上前のステレオよりいい音がする。
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当方は、アンプはROTELを使用し、スピーカーはオンキョーとボーズを同時に鳴らすスピーカーの配線をし、必要に応じてサブウーハーを使えるような環境で音楽を楽しんでいる。そしてTVの出力をこのシステムに入力し、TVの音もハイファイで聴けるようにしている。
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この環境で、TVのスピーカーの音とオーディオシステムから流れてくる音を比較すると、確かにTVのスピーカー音質は悪いと分かるが、時々ステレオの電源を切り忘れるので、TVだけで聴くようになった。
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高級オーディオは電源が入っていると音が出ていなくても電力を食うのである。それでTVだけで聴くようになったのだが不満はない。これではオーディオ市場も無くなるわけである。
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ライブハウスと同じような音空間を再現しようとすると100万円前後かかるのである。リビングでこれを楽しむのは趣味として良いかもしれないが、実用的ではない。
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そのように楽しんでいる環境で高度なテクニックで空気録音された、という音を聞くと、ただ「生録」をやりました、にすぎない音である。だから、良く聞こえるように細工をしてスピーカーの比較を空気録音でしてみました、という怪しい説明に聞こえる。
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再生装置の違いで音の聞こえ方は影響を受けるので、空気録音だから良い、という言い方はおかしいのである。ただ録音しました、と同じ意味である。言葉に騙されないように。
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