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2024.11/28 兵庫県知事選挙とSNS

兵庫県知事選挙のPRを請け負った女性社長が自慢げにSNSで語ったために選挙違反騒動となっている。当方も活動報告に自慢話やらサラリーマン時代の悲劇や喜劇を書いているので、この女性社長の気持ちをよく理解できる。

ただ、当方ならば女性社長のような自慢話を書かなかった。当方の転職の状況にしても、高純度SiCの学会賞の顛末にしても、あるいは論文を勝手に出された話でも実話だが、すべてを書いていない。

論文を勝手に出された話は、該当論文を見れば個人を特定できてしまうが、他は個人を特定できないよう配慮している。当方が転職時に同時期に辞めた他の二人についても活動報告では感謝以外のことは書いていない。

活動報告に書かれている自慢話も実話であり、例えば電気粘性流体の耐久性問題を一晩で解いたのも実話で、この事例は来年3月のゴム協会で開催されるシンポジウムでも話す。

ちなみにこのシンポジウムでは招待講演者として呼ばれており、2時間も枠を頂いた。ここで80万円のローンを組まされてパソコンを買った話もする予定だ。これが余分な話かどうか、というよりも当時のパソコンに対する世間の考え方を示すためには分かり易い逸話だからである。

今時パソコンが動作するためにはソフトウェアーが必要だということは誰でも知っている。しかし50年近く前、日本のトップレベルの研究所の30歳以上の「おっさん」研究者は、ソフトウェアーがなにかも知らない人がほとんどだった。

ゆえにキーボードとCPUが一体になったマイコンを購入すれば何でもできると勘違いしていたのである。専用のモニターやフロッピーディスクドライブ、プリンターやそれらをマイコンにつなぐインターフェースをそろえただけでも80万円を越えてしまう。

「花王のOAパソコン革命」という本には、16万円でサクサクと仕事が進むと書いてあったため、上司がそれを個人で買って成果を出せ、と命じてきたのである。初任給10万円の時代に部下に80万円のローンを組ませて会社の仕事をさせる、そんな無茶な話が許されていた時代の話だ。

今や世界のトップとなった大企業の研究所に勤めながら、ローン返済に苦しむ生活ゆえに遊ぶ金が無いという理由で、コンピュータサイエンスの勉強を毎日するのが楽しみになった。

シンポジウムではここまで話さないが、何故80年前後のデータサイエンス黎明期にすでにマイコンでマテリアルインフォマティクスの成果を出していたのかの説明は行う。金がなく、余暇を満たすにはそれしかできなかったのだ。

カテゴリー : 一般

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