2024.12/04 練る
練る動作あるいは機能は、複雑である。練る、あるいは練りでは、ミキシング+αの現象が起きている。また、それを期待して、ミキシング以外の動作として練るが考えられ、混練技術が発展してきた。
餅つきではカオス混合が起きていると言われていたが、それを工業的に連続生産技術として初めて成功した時には感動した。部下は驚いて尻もちをついた。
PPSと6ナイロンのコンパウンドが透明な樹脂液として吐出口から流れ出たのである。フローリー・ハギンズ理論からは否定される現象である。また、二軸混練機だけでは実現できない混練技術でもある。
セラミックスの泥漿を練る機能は明確で、セラミックスと助剤、溶媒(粘土では水)の3成分以上を混合しながら空隙をつぶすために練りが必要で、単なる混合分散プロセスではない。
高分子の混練プロセスも同様で、例えば二軸混練機では、シリンダーとスクリューの空間でコンパウンドには熱と圧力が加わり、練られてゆく。
この時、セラミックスよりも複雑で、高分子のコンフォメーションの変化や、分子どおしの絡み合い、自由体積の減少が起きている。
実際に自由体積の減少を間接的に調べてみると、その量が減少し安定化するために30分近くかかることが分かった。通常二軸混練機に樹脂がフィードされて吐出されるまで3分から6分程度であり、十分な練り効果がかかっていないことは明らかである。
当方の発明によるカオス混合機はスタティックミキサーの一種だが、二軸混練機に取り付けることで不足分の練りを実現できる。1段だけでも効果があるようで、PPを用いた実験結果の論文が公開されている。
そこにはウトラッキーはおろか当方の技術の紹介が無い不十分な技術調査の論文であり、これがアカデミアから出されていることに驚いている。特許も論文の一つであり、よく勉強していただきたい。
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