2025.01/10 暗黙知(5)
部下の思い付きのアイデアをすぐに否定するリーダーがいるが、発明や発見についていろいろ調べてみると,これは誤った指導法であると言わざるをえない。
思い付きのアイデアが暗黙知から出ている場合もあるからで、ただ否定するのではなく、それをオブジェクトの形式にまとめる方法を指導しなければいけない。
そしてオブジェクトに対して体系的にそのアイデアの位置づけを明確に説明させる指導をするのが正しいリーダーの姿勢である。
コーチングによりそれを行えば、思い付きのアイデアかどうか明確になり、本人はすぐに謝罪するかもしれない。しかし、背景に暗黙知があり、それがアイデア提案者の経験知や形式知の体系に結びついておれば、本物である。
リーダーは、思い付きのアイデアを嘲笑するのではなく、その提案者の経験知や形式知の蓄積に注目しなければいけない。他の人に無い独特の経験知に紐づいた暗黙知による思い付きのアイデアならば千金に値するアイデアとなるかもしれない。
昨日の内容は20年前の実話であり、コンパウンドメーカーの技術者にアイデア提案したところ、素人は黙っとれ、と言われている。そして、カオス混合プラントを自分で建ててみろ、と。
それで、ラインを3か月で立ち上げ、問題解決したのだが、その後そのメーカーから10件近くのカオス混合に関する特許が出願されている。これを検索していただければ、当時の状況を時系列的に確認できる。
ただし、当方の発明には、混合装置の形状を明らかにしているがカオス混合という言葉を用いていない。形式知として定まっていないからである。急激な引き延ばしと折り曲げがその特徴と言われているがカオスである。
カテゴリー : 一般
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