2025.01/13 中居事件とトランスサイエンス
表題の中居事件とは、今話題の元SMAP中居氏の9000万円問題である。刑事事件となっていた方がすっきりしていた。そうなっていないところが謎だらけのニュースだ。本欄で取り上げる問題ではないが、トランスサイエンスとの共通点を感じたのとりあげてみた。
タレントと一般人の1:1の交流で性に関わるトラブルが生じることははるか昔から知られている。1970年代に欧米で話題になったトランスサイエンスが今日本で話題になっているが、この時間差よりも大きく常識となっていても良い。
そうなっていないのは「問題認識の差による見解の相違」という問題があり、これが表題の共通点である。タレント(注1)と一般人が1:1で同席した場合には、男女の組み合わせに限らず、性のトラブルが発生する危険認識に見解の相違が未だにある。
しかし就活生相手でもトラブルが発生している時代(注2)なので、もはや常識と考えなければいけないだろう。タレントと1:1で面会するときに、一般人はリスクを覚悟する必要がある。
そのような社会は悲しい、と嘆いて撲滅に努めても、これまでの状況からすべて無くすのは難しいだろう。むしろタレントと一般人の垣根が低くなった昨今では、よりリスクに対する感度を上げることが求められる。
これは、トランスサイエンスが常識となった世界で、「科学が唯一の技術開発の問題解決法」と信じ続けるダメな技術者や経営者が無くならないことと似ている。
自分に不都合が無ければ深く考えず、目前に問題が発生したら否定証明を行い、9000万円の慰謝料で納得したように解決したとみなすのである。しかし、問題は解決していない。
(注1)芸能人とは、人間の姿を演技で表現するのが仕事である。演技を極めようと誠実真摯に努力する芸能人であれば、性に対して開放的になるのは当然である。それを理性でコントロールできない人がいてもおかしくない。これは誰でも理性でコントロールできない瞬間がまれにあることから理解できると思う。寝てはいけない、と思っても睡魔に襲われれば授業中に寝てしまった経験は誰にもあるだろう。芸能人と性の問題を社会問題として捉え、それをどうするか考えなければいけないのかもしれない。しかし、それ以外にも考えなければいけない社会問題が多すぎる。例えば科学と非科学の方法論に無頓着な経営者の多い日本の改革は急務である。中居問題よりはるかに深刻だ。
(注2)面接の場で知り合った女性と結婚した人事部担当者の話を40年以上前に本人から聞いたことがある。当時は職権乱用と冗談を言って笑えた時代だった。昨今は役員がその立場を利用して、という事件が起きたりしている。インターネットには事件の情報が残ったりしているが、氷山の一角だろう。当方の転職原因は性の問題ではないが、やはり事件とよべる原因であり、どこでも非常識な人間がいる、と考えて生活しなければいけない。そして、事件が起きたならば企業は誠実真摯に対応し、事件を隠蔽化してはいけない。
カテゴリー : 一般
pagetop