2025.01/19 フジTV社長の会見
この欄で書くつもりはなかったが、会見内容の報道を読んでいて、時代を読み間違えた社長の会見と感じ、報道内容からの感想を書いてみたい。
まず、事件直後ではなく、事件が起きて1年以上経ってからの会見である、という事実をどのように捉えるのか。40年以上の昔ならば、会見などやらなくても社会は問題としなかった。
しかし、ジャニ―喜多川氏の事件以降社会は大きく変わった。これは、かつて女性記者I氏が泥酔させられた事件の経緯を見れば、当時とも変わった社会の意識について社長はもう少し勉強すべきだろう。
I氏の事件との相違点も社長は重視すべきだった。今回被害者は刑事事件にしていない。それどころか、被害者は次のステップへ前進しようとしている。その結果、社長の会見は企業の問題、事件に対する企業の姿勢について誠実に回答すべきだった。
しかし、これができていなかった。まず、事件が起きて被害者が退職した事実については、明確に謝罪すべきだった。謝罪すべき内容については意見が分かれるかもしれないが、少なくとも1年以上会見が遅れた点については、報道で指摘されているように明確に企業として問題点を説明し謝罪すべきだったと思う。
これだけでも十分にできておれば、会見はそれなりの評価が得られたはずである。しかし、個人のプライバシーを理由にごまかしてしまっては、会見の意味が無い。それゆえ、会見について批判的な記事ばかりが昨日出ていたのだろう。
21世紀となり、働き方改革はじめ、企業はそこで「働く人」優先の組織に変わろうとしている。20年ほど前に、40年前には問題とならなかった「追い出し部屋」が週刊誌に取り上げられ、某企業の社長が謝罪会見を行っている。
その後電通のパワハラ裁判も大きな社会問題とされ、一気に各種ハラスメントについて、その対策に企業が動き出した。その結果トヨタのような企業でさえもパワハラ自殺のあることを知ることになったのである。トヨタの場合、20年前ならば記事とならなかった内容だった。
時代は、この20年で大きく動いている。労働時間の目標が1800時間に設定され、サービス残業はじめ各種労働条件の見直し、LGBTの扱いなど企業と知識労働者の関係が変化した。
組織は知識労働者に働きやすい環境をサービスすることが求められるようになってきた。ドラッカーが指摘していたことが没後10年以上経過して実現し始めた。ドラッカーについてご存知ない経営者はお問い合わせください。
カテゴリー : 一般
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