2025.04/09 不適切事案
ホンダ副社長が、業務外の懇親会における不適切事案で辞任したという。フジテレビの問題がこれだけ社会を震撼させるほどの展開をしているのに、このような問題が起きるのは、その役職につきながらの自覚が乏しい、ということにつきる。
バブル崩壊後、コンプライアンス重視だけでなく、とりわけ男女問題はじめハラスメントに対する社会の厳しさが増している。最近では言葉さえも気をつけないとアウトになるので大変で、冗談にも気を配らなければいけない。
日産とホンダの再提携の話題やトランプショックでホンダは今大変な時であり、この辞任は厳しい状況ではないか。特にホンダの人事は定評があり、日産のように不適切な人物が役員になれないと聞いていた。
しかし、実務能力において問題が無くても、今回のような事案を犯しては、不適切な人物と言わざるを得ない。ドラッカーは、リーダーを選ぶときに、誠実で真摯な人物を選ぶように著書で述べていた。
さらに、実務能力よりも誠実で真摯さのある人物を選べと言っていた。ホンダと日産の提携話が壊れた後、日産では社長交代だけでなく数人の役員が交代している。
社長には異例の若さの人物が選ばれてびっくりしたのだが、それだけでなく、日産の今年度計画が見直され、次々と新車の発表がなされている。役員を交代させただけで、これだけの変化が起きたことに驚くが、インターネットには以前の役員に対する社内の不満が溢れている。
その中には、やる気をそぐ言葉のデパートと称された役員がいたそうである。役員の性別も含め、ここでは書きにくいので探して読んでいただきたいが、なるほど、と思わずサラリーマン経験者ならば納得する不満である。
すなわち、研究開発陣に言ってはいけない無責任ワードが掲載されている。これには当方も驚いた。少なくともリーダーはグループを引っ張ってゆくために常に激励を忘れてはいけない。
当方が高純度SiCの事業をひどい組織風土でも6年頑張ることができたのは、役員からの激励があったからである。しかし、研究開発本部の役員がすこしおかしいと思われる人物に交代し、激励どころか事件の隠蔽、あるいはそれを煽っていたかもしれない状況に接し、同僚が転職したのが引き金となり、命を大切に思い退職している。
当方の転職で状況は急変し、高純度SiCの事業は2018年までゴム会社で実施され、今は愛知県の企業に継承されている。当方は転職後も、当方の仕事を引き継がれた管理職を1年近く誠実真摯にサポートしている。そのときの手紙等は大切に保管している。
リーダーは組織風土の象徴であるとの自覚をもって、業務に誠実真摯に励まなくてはいけない。それができないような人物を管理職に昇進させてはいけないのだ。管理職段階で選別を行えば、おかしな役員が誕生するリスクを下げることが可能である。
ただし多面評価の人事制度でもこれを達成できていないので大変難しい課題である。管理職候補の教育で困っている企業はご相談ください。リーダーの自覚を促す教育とリスク回避のノウハウを体得することが重要である。
カテゴリー : 一般
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