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2025.04/12 二軸混練機の性能(1)

タイヤに用いられる高性能ゴムは、昔からバンバリーとロール混練の単位操作プロセスで混練される。最近は一部のゴムをニーダーで練り上げている、と聞いている。


また、動的加硫技術で二軸混練機を用いてゴムを製造する技術も開発されたが、これが主流になっていないところから、ゴムの混練プロセスにより、ゴム物性が大きく影響を受けていることを理解できる。


なぜなら、二軸混練機を用いれば数分もかからずにコンパウンドを製造でき、バンバリーとロール混練で30分近く時間をかけるよりも生産性が高いからである。


これらの事実から、二軸混練機の性能が、未だにバンバリーとロール混練プロセスに追いついていないことを理解できる。


半世紀近く前に、ゴム会社で新入社員テーマとして当時最先端のTPEを開発している。樹脂とゴムのブレンドコンパウンドの開発で、樹脂補強ゴムと呼ばれていた。用途は防振ゴムである。


この時、同一配合についてバンバリーとロールのプロセスと二軸混練機一発のプロセスとで比較しているが、それぞれのコンパウンドから製造されたゴム物性は、天と地ほどの差があった。


一番大きな差が出たのは、圧縮永久歪であり、バンバリーとロールのプロセスで製造されたコンパウンドの加硫ゴムでは、耐久試験後に2%未満の歪が残ったが、二軸混練機から製造されたコンパウンドを同一条件で加硫しても6%程度の歪が残るゴムとなった。


結局バンバリーとロール混練で樹脂補強ゴムは実用化されたのだが、指導社員はカオス混合が効いているのかもしれない、と教えてくれた。

カテゴリー : 一般

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