2025.06/19 AI
アップル社の新製品発表で、AIが使われているかどうか分からない商品を指向していると説明された。これは、アップル社がAIの競争に出遅れている点を指摘されての回答だが、そもそもAIの開発競争にも参加していない、とも応えている。
chatGPT をはじめとする生成系AIの開発競争が激化している中で、これは興味深い発言であるとともに、AIの実装というものの考え方を示している。
そもそも生成系AIがAIの本命と言われているが、それが正しいのか。過去においてエキスパートシステムの開発に貢献したAIの仕組みがある。
実は今生成系AIには、過去のAI技術取り込みが行われているのだが、未だハルシネーションの問題を解決できていない。困るのは、ハルシネーションかどうか分かりにくくなってきている点である。
人間でも考え違いするからAIでも考え違いをしても良いではないか、という寛容な考え方もあるかもしれないが、技術開発においては信頼性が重要であり、人間的なAIというものもあっても良いが、完璧なAIこそ目標とすべき、と思っている。
そのとき、科学技術の成果としてのAIと呼べるように思う。昔SFでロボットが人間的な心を獲得する物語があったが、今の生成系AIは太鼓持ちのようで気持ち悪い。
質問者に寄り添ってくれる気持ちはありがたいが、その結果分かりにくいハルシネーションを含んだ回答をされたのでは、おいそれと研究開発で使えない。
半年前であるが、某有名コンサルティング会社からWEB会議の相談があった。第一回ということで無料と言ってきた。世界的にも有名なコンサルティング会社のご相談を頂けるだけでもありがたい、と思って対応している。
しかし、驚いたのは技術的に誤った質問で、いろいろ聞いていて、思い当たるところがあり、ここからは有料になる、と伝えて打ち合わせを終えている。
質問内容をまとめ、リバースエンジニアリングのごとき方法となるが、AIに質問したところ、WEB会議で誤った質問の背景がAIにあることに気がついた。すなわち、AIの回答内容に基づいて、小生と議論していた可能性が高いことを発見したのである。
(注)AIのハルシネーションを防止し、正確なAIの答えを導き出す手法があり、セミナーで解説している。おそらく弊社へ商談と称して相談してきたアメリカの有名なコンサル会社は、AIのみで作成したプレ資料に間違いが無いか確認してきたのだろう。当方の書いた本には形式知と経験知が明確に記述しているが、WEBには経験知を形式知のごとく記述した情報が氾濫している。これ以上はここで説明しない。
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