2025.08/13 技術で勝る日本が何故事業で負ける?
表題の書籍がベストセラーとなった時代がある。しかし、今、どれだけの経営者がこのフレーズに興味を持つのだろうか。
中国でコロナ禍前まで10年近くローカル企業を指導してきて思うのは、事業が下手でも特徴ある技術を育てれば事業で生き残ってゆく事実である。
政治体制が異なる、と言われれば、説明のしようがないが、二軸混練機1台から大きな会社に育った企業があり、丁寧なメールをいただき、過分な役職を用意していただいたが固辞している。
政治体制が異なっていても、不誠実な経営者の会社はダメである。また、技術の日産については、日本人ならばみなご存知のように、ダメな経営陣により会社が傾き、慌てて若い有能な経営者を据えて再度息を吹き返すを繰り返している。
いかに経営者の能力が重要であるかの見本のような企業である。だから、技術が勝る日本が何故事業で負ける、と言ってみても、経営が下手なのだろう。また、技術も市場で負けるようなレベルなのだろうと思う。
当方が40年前発明した高純度SiCの技術は、今でもその事業が残り、エンジン部分はそのまま使用されている。また、コンパウンドなど基盤技術さえなかった企業で20年前カオス混合技術のプラントを3カ月で立ち上げ、それが現在まで続くだけでなく、再生材事業まで始めているのにはびっくりしている。
やはり、メーカーの基本はそのエンジン部分となる技術がそれなりのレベルに無ければ、事業で負けるのである。また、圧倒的レベルにあれば、エンジン部分は事業として残ってゆくのである。
強みのある技術をどのように生み出し、育てるかが重要で、日本は、意外にも生み出すところが下手であることに気がついている経営者が少ない。中国では当方も知らない技術を生み出す指導をしてきた。
コーチングは専門外の領域でも有効な指導方法であることを改めて認識した。技術を生み出す方法には、それなりのコツがあり、それは経験者でなければ分からないのだろう。
技術で勝る日本が、と言っていてはダメである。勝てる技術を生み出せる人材を育てない限り、事業でも負けるのである。新しい技術を生み出すコツを知りたい方はご相談ください。
カテゴリー : 一般
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