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2025.09/09 脆さ

材料の力学物性において、弾性率は形式知のパラメーターであり、弾性率の大きな材料は硬い。このことから、硬さと弾性率は相関する。しかし、硬い材料の曲げ強度あるいは引張強度が大きくなるとは限らない。


例えば、樹脂製のお茶碗と陶磁器でできたお茶碗とでは後者の方が割れやすいことから強度が低いような感覚を日常持っていると思う。


また、この感覚を確認することはやや危険だが難しくなく、二つの茶碗を押し付けてみると分かる。樹脂製の茶碗は変形するかもしれないが、押し付けている途中で陶磁器の茶碗が割れる。


面白いのは、この実験をノリタケチャイナで行うと樹脂製の茶碗が壊れる。必ずしも感覚がいつでも正しい結果とならない。ノリタケチャイナは高級ブランドであり、高価だが、それなりの技術力で製品が設計されているので瀬戸物とは一線を画す。


この経験から、硬さ以外に破壊のしやすさをコントロールしているパラメーターがありそうだ、と気づく。それが、脆さのパラメーター靭性であり、Kで表される。

カテゴリー : 一般

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