2025.09/13 残業キャンセル界隈(3)
そもそも入社して8か月後の1月8日にこの主任研究員のグループへ異動したことが理解できなかった。入社二年間は職場異動が無い、と研修で説明を受けていたからである。
もっとも、1年の予定であった防振ゴム用樹脂補強ゴムの配合設計を優秀な指導社員のおかげで3か月で完成させたので新しい仕事が必要になり、異動となった、と指導社員から説明を受け、納得している。
そして指導社員から定時退社を約束させられた。すなわち残業無しの業務遂行である。美人の指導社員は時々食事に誘ってくれて、楽しい日々だった。
樹脂補強ゴムの開発では、指導社員が優秀な方で粘弾性のシミュレーションからさらにゴールとなるゴムのサンプルまでフロントローディングでできていたので、当方は必要なデータ収集と耐久試験その他業務が明確であり、毎日サービス残業を行い、短期でテーマを完成させている。
しかし、美人の指導社員は指導計画さえも作成しておらず、これから一緒に1か月かけて作るのだという。一方で、主任研究員は、世界初の難燃性軟質ポリウレタンフォームを発明してほしい、そして新入社員発表でできれば工場試作までやりました、なんて言えれば大成功と発破をかけられていた。
異動となった最初の打ち合わせは、No.2の係長職の人と美人の指導社員、当方の3人で、難燃性軟質ポリウレタンフォームの開発計画作成だったが、この打ち合わせで不思議に思ったのは具体的な技術手段は何も書かれておらず、業務のアローダイヤグラムだけだった。
このアローダイヤグラムでは、1月末に具体的技術手段の調査結果を打ち合わせることになっていた。そこで当方は大学院を修了し、ゴム会社へ入社するまでの3週間大学に残って研究し、論文作成を始めていたホスファゼン誘導体について、この打ち合わせにおいて説明した。
そして、この誘導体を用いれば、ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームができるかもしれない、というビジョンをさらに説明している。
カテゴリー : 一般
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