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2025.09/23 AIと材料技術者(6)

過去の2度のAIブームでは、例えば創薬のデザインなどの特定の専門分野に関するエキスパートシステムを提供できたが、今回のAIブームで登場した生成系AIでは、知を学習データに表現できる限り人間のように柔軟に答えを出してくれるので、一過性のブームではなく、AIの本命と期待されている。


但し、データとなる知識を明文化しなければいけないので、形式知と経験知しか扱えない。それでも生成系AIに接していると、あたかも人間と話しているような錯覚になる。


しかし、人間のヒューリスティックな回答の動作とそれが本質的に同じかどうか不明である。現在のAI(大規模言語モデルLLM)は、推論型モデルを含めて、本質的に暗黙知を獲得することはない。


しかし、ChatGPTに搭載されているメモリ機能やRAG(検索強化生成)を活用することで、過去の情報を参照し、あたかも暗黙知から経験知を創り出しているかのような振る舞いを見せることはある。


ただし、これは人間の暗黙知による活動とは異なる。つまり、AIが暗黙知を持っているように見えても、その動作は外部情報の言語連鎖を活用した疑似的連想であり、技術や芸術の創造を促す人間の暗黙知とは異なる。


AIの本命と言われている生成系AIではあるが、人間が暗黙知から芸術や技術を生み出すような動作は、まだ確認されていない。

 

カテゴリー : 一般

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