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2025.09/24 AIと材料技術者(7)

第三次AIブームで登場したデータ駆動による生成系AIについて、先にその動作概略を説明したが、過去のAIブームについて図1により改めて説明したい。


「コンピューターを使って問題を解く」という視点では、細々であるがTRIZの研究は進められている、と述べた。また、知の研究成果が注目されて生まれた過去二度のAIブームでは、エージェント指向という新しいパラダイムが生まれて現在でも研究されている。


これは、1999年に派手なワイヤーアクションが注目された映画「マトリックス」にその世界観が表現されていた。多数のエージェントが自ら情報を探し出し、その情報から状況を判断して各エージェントが振る舞いを決めるアルゴリズムを主人公との戦いの場で表現していたのだが、データ駆動よりも高度なソフトウェア技術が必要であり、未だ実現されていない。


ところで、第三次AIブームは、従来のオブジェクト指向で作り上げた深層学習のソフトウェア、生成系AIの成功で始まっている。


そもそも機械学習という手法はAIの研究において一分野に過ぎない。また、このパラダイムにおいて、知識は単なるデータにすぎず、パターン認識で動作しているソフトウェアという見方もできる。


A.M.Turing1950年に提起した「機械は人間のように論理的に考えることができるか」という問いで始まったAI研究であるが、一つの解となる期待から生成系AIブームとなっている。


社会実装も始まったが、材料技術者が、これからAIに関する学問を学ぼうとしても難解な数学と対峙することになる。また、ソフトウェア工学の視点からアプローチしても数学以上に難解だけでなく膨大なプログラムコードと格闘することになる。


しかし、基本となるパラダイムは、知識を表現するための「知識表現」と、知識を利用するための「推論」であり、この大枠の中で、これまでのAIブームが起きていることに着目するとその理解が容易となる。

カテゴリー : 一般

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