2025.09/26 AIと材料技術者(9)
生成系AIに簡単な質問をして、ハルシネーションの問題が起きるのは、人間のように言葉を理解して考え、回答を導きだしているわけではないからである。
また、回答の生成に乱数を使用しているので同じ問いでも異なる回答をしてくるケースもある。その他AIの本命と言われている生成系AIであるが、実務で活用するときには、一工夫が必要である。
一時期AI活用技術としてプロンプトエンジニアリングが話題になったが、今のChatGPT(注3)では、ハルシネーションの起きる頻度は下がり、先に述べたテクニック以外に以下に記載した程度のコツを身につけるだけでよい。
- 見出しは「#」を用いたマークダウン形式で質問を記載する。
- タスクは具体的に、手順ごとに明示する。
- 略語や専門用語は具体的に明記する。
- 回答の形式を指定する。
- 必要なら参照先を記載するように命じ、検証できるようにする。
こうしたコツが有効なのは、AIがプログラムされたアルゴリズムで動作しているからである。
生成系AIで上手に回答を得たいのであれば、そのアルゴリズムに適合させるように質問をデータとして入力する必要がある。
情報工学では、プログラムはアルゴリズムとデータからなる、と説明されるが、AIへの質問は、アルゴリズムで動作しているAIにとってデータなのだ。生成系AIは、質問者のデータで駆動されて回答を出すプログラムである。
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