2025.09/28 高分子材料の破壊(1)
セラミックスや金属では非破壊検査可能だが、高分子材料ではそれが難しい。このことをよくご存じない方が多い。これは、高分子の専門家でなくても知識として持っていてほしい。
トンネルや橋の検査を木槌で叩きながら行っている光景がTVで放映されたり、あるいは高速道路のトンネルで見かけたりする。あれはコンクリートの劣化を確認しているのだが、高分子材料ではそれができないのだ。
すなわち、金属やセラミックスでは可能な疲労破壊の予測を高分子材料では「できない」ことをまず理解していただきたい。その理由は科学の形式知が完成していないからである。
破壊力学と言う学問があるが、金属学科では授業が行われるのに、化学系では特別授業さえない。そのため高分子の破壊について大学で勉強する機会は、化学系の学生に乏しい。
自分で勉強すれば、大学なのでその機会はある。しかし、問題意識が無ければ学ばない。当方も破壊力学を学んだのは、ゴム会社であり、ゴム会社勤務経験に感謝している理由の一つである。
カテゴリー : 一般
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