2025.09/30 高分子材料の破壊(3)
N社F100のフィルムを装填する裏蓋フックが防湿庫に静置した状態で破壊した。これも典型的な樹脂のクリープ破壊である。フィルムの裏蓋はフィルムカメラの重要な機能部品であり、あまりにもお粗末な設計にあきれた。
日本を代表するN社の製品である。さっそくサービスセンターへ持ち込んで修理をお願いしたら、品質保証期間を過ぎているので、修理費が10000円になるという。
品質保証書には購入から1年と書いてあるので、まっとうな回答かもしれないが、N社の製品である。裏蓋が壊れたら、使い物にならない、と考えないのだろうか。そこで再度無償修理を願い出たら、ガムテープを貼って使われているお客様もいます、と回答してきた。
さすがにこの回答には驚いた。それで、セミナーの教材でこの破壊の話をしてよいか、と尋ねたら、「どうぞ」と言われたので、修理を申し込まず帰宅した。
フックが壊れた裏蓋は、オプションのデータパックであり、最初からついていた裏蓋があったのでそれと交換し、中古店に下取りに出してD2Hを購入した。
この裏蓋のクリープ破壊については、高分子材料の破壊事例としてセミナーで紹介している。最近は、破面写真をchatGPTに読み取らせた結果を紹介し、AIによるフラクトグラフィー事例として講演している。AIは設計ミスという手厳しい回答をしてきた。
カテゴリー : 一般
pagetop
