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2025.10/14 高分子材料の帯電防止

大抵の高分子材料は絶縁体なので、低湿度下では帯電しやすい。ゆえに、用途により帯電防止技術が採用される。例えば、親水性化合物を添加したり、表面に導電性物質を塗布したりする。


簡単な技術に思われている方が多いと思うが、電子部品の分野では意外と難しい。ただ材料の導電性を良くするだけではいけない場合がある。


また、摩擦帯電が問題となる時には、表面比抵抗を下げるだけでは対応できない場合がある。さらに、市場で問題にならないと分からない場合がある。


一番厄介なのは、市場で問題が発生した時に、それがゴムや樹脂の帯電防止技術が問題と気がつかない時や、気がついても対策が分からない時である。


転職して1年もたたない時に、印刷感材のクレーム対応に担当者と出かけて見た光景では、思わず笑ってしまった。帯電防止されたフィルムが金属板に吸着して搬送途中に張り付いていたのだ。


担当者は頭を抱えていたが、当方はすぐに原因が分かった。笑ってしまって担当者に申し訳なかったが、電気抵抗の低い(導電性の高い)金属板に帯電して吸着していたのである。


滑らない漫才は面白いが、金属表面を滑らない帯電防止フィルムも見ていて面白いのである。この面白さがわからないと対策案も出てこない。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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