2025.10/17 軟質ポリウレタン発泡体
軟質ポリウレタン発泡体は、イソシアネート化合物とポリオール(多くはジオール)化合物との反応で合成されるが、この時、発泡剤を添加する。
発泡剤には、不燃性の低沸点化合物や水が使われ、水とイソシアネート基の反応で生成する二酸化炭素ガスも発泡剤となる。この時ウレア基が生成し、このウレア基が架橋点となって3次元ネットワーク化合物となる。
ゆえに、ウレア基だけでなくポリオール化合物の分子量がエラストマーの弾性率に影響する。また、ウレア基は凝集しやすいので、3次元構造といっても単純にウレア基のモル数だけでその構造は決まらない。
50年近く前に、この軟質ポリウレタンの高次構造と力学物性の関係を研究した。驚くべきことに、加硫ゴムと異なり、その関係が明確であり、高次構造と力学物性の関係を論じるモデルとして扱いやすい材料であることを学んだ。
例えば、ウレア基の凝集を破壊するような大きな立体障害となる化合物をイソシアネート基と反応させておくと、ウレア基の凝集が壊れ弾性率が低下する。それを工夫してやると、弾性率の低下を少なくし、損失係数を上げることも可能となる。
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