2025.12/14 タグチメソッド
田口先生には3年間直接ご指導いただいたが、タグチメソッドを非科学も含む方法と位置付けることに反対されていた。タグチメソッドを科学の方法として位置づけるために損失関数からSN比を導いたり、損失関数やSN比と分散分析の関係をいろいろご説明してくださった。
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当方が高純度SiCの事業化を担当していた時に、セラミックスヒーターや切削工具などの企画で、特殊な実験計画法を行っていたことをお話ししたら、褒めてくださったことは今でも思い出として残っている。
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その特殊な実験法とは、外側に相関係数を配置する方法で、切削工具では、ダイヤモンド圧子で荷重をかけてクラックの幅と荷重との関係をラテン方格の外側に配置して最良の配合を求めている。
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この方法では、荷重をかけてもクラック幅が大きくならない方が良いので、相関係数が小さくなる条件を求めることになる。
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この実験法について田口先生は感度を見ていることになるので、好ましくない方法だが、最適条件を求める目的には、十分実用できる良い方法、と褒めてくださった。
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実際に切削チップを作成し、当時の都立工業試験所で評価していただいたが、SiCでは切削が難しい、と言われていた鋳鉄を既存のサーメットの2倍以上の時間削ることができた。
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技術開発では最適条件を求める問題が多いので、タグチメソッドは、その時役に立つ優れた便利な問題解決法である。科学的な方法であるかどうか、よりも、問題解決に切れ味の鋭い方法であるのかどうかが重要な気がする。
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ラテン方格に相関係数を配置する方法では、効率よく最適条件を求めることができた 実績がある。ちなみにこの方法は1980年代の発明であるが、タグチメソッドは1953年に伊奈製陶で用いられた実績がある。
カテゴリー : 一般
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