2026.01/23 PPSと6ナイロンをロール混練
リーダーの交代を相談された時に根津の混練機を製造販売している中小企業社長にカオス混合の相談をしている。そして、ゴムの混練に用いるロール混練機を1日お借りした。
ただし、ゴム練りに用いる装置なので300℃までロール表面の温度を上げることができない。せいぜい260℃が上限だろうと言われた。オープンロールは設置場所の温度にも影響される。
運よく夏場だったので260℃まで上げることができたのだが、冬場であれば250℃まで上がらない可能性があった。しかし、表面温度260℃では6ナイロンを溶融できても、PPSを溶融することができない。
ただし、工夫すればPPSと6ナイロンを混練することが可能である。世の中には科学知識で固まった頭による誤解が多々ある。この溶融温度に到達しなければ混練出来ない、という知識も科学の弊害が現れる知である。
混練では、高分子が流動すればよく、溶融している必要はない。このプロパティ用件を科学は否定する。あるいは、間違っているような知識体系である。溶融温度以下でも高分子は流動し、ゴムは溶融温度以下で混練する技が存在する。
やれ、そのような条件では高分子が断裂し、分子量低下が起きるとか、トルクオーバーで混練機のトラブルとなるとか、知ったかぶりで意見を述べる人がいる。
高分子学会技術賞にPPS半導体無端ベルトは落ちているが、その審査委員会出て来たのはこのような意見である。20年前はマテリアルズインフォマティクスも知られていなかったような時代なので、仕方がない。
科学を正しく知っている、と偉そうな顔をしているおっさんが科学技術の進歩を遅らせていることに気がついていない。技術を進歩させるためには、科学の常識にチャレンジする勇気が重要であるが、科学で頭が固まったおっさんは、しばしばそのような若者の足を引っ張るのである。
学会の賞を受賞している技術は、皆素晴らしい技術が多いが、だからといって、受賞を逃がした技術がダメだとは限らない。このPPS半導体無端ベルトの技術は、フローリー・ハギンズ理論が自由エネルギー変化を扱っているだけである問題にスポットライトを照らすので重要である。
さて、PPSと6ナイロンをどのように低温度のロールで混練したのか。難しくなかった。まず、6ナイロンでバンドを形成し、そこへ、PPS粉末を所定量添加していっただけである。
この実験で驚くべき現象を見ることになる。詳細な技は問い合わせていただきたいが、7%の6ナイロンを相溶した透明なPPSのバンドができて、ロールは回転していたのである。
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