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2024.06/18 データ駆動(2)

MIではデータ駆動による機械学習をその特徴としてアピールしているが、MIがデータ駆動のさきがけではなく、またデータ駆動という考え方が古くからあったことを知らない学者が多い。


例えば、タグチメソッドも立派なデータ駆動の手法であり、1953年に伊奈製陶で初めてその威力を披露している。もっともその時は今のような直交表の使い方ではない。


実験計画法と同様であり、ただ、列における因子の配列が単なる実験計画法ではなく、誤差因子と制御因子の交絡を考えた配列で実験が行われている。SN比の求め方が現在と異なるが、ロバストを追及している点では変わらない。


その後改良を重ね、現在のように外側へ信号因子と誤差因子を割り付ける方法となり、アメリカで普及した話は有名で、1990年ごろ日本へ逆輸入されている。


当方は、故田口先生がアメリカでタグチメソッドを普及されているときに、外側に相関係数を配置した実験計画法を発明している。この方法でフェノール樹脂の難燃性向上や、高純度SiCヒーターの発明を行っている。


コンピューターを使わなくてもデータ駆動の方法は有効で、2010年タグチメソッドとは異なる新たなデータ駆動の方法を開発し、PETボトルのリサイクル樹脂を開発している。


生成系AIでデータ駆動という言葉が一般にも広がったが、何も新しいコンセプトではない。当方が生まれたころから存在し、それがコンピューターの世界で用いられるようになっただけである。

カテゴリー : 一般

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