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2024.06/25 データ(2)

データを単なる数値としてしか認識できない人は、とんでもない間違いを犯すことがある。例えば界面活性剤の特性値にHLBというデータについての実話。


これは界面活性剤の親水基と疎水基のバランス、比率を表しているデータだが、これを分子構造の定まった界面活性剤でその値が決まっている、という認識でデータを見ていると、界面の関わる問題を界面活性剤で解けない場合がある。


電気粘性流体の耐久性問題では、分子構造を同定可能な界面活性剤だけで検討する、という大きなミスを担当者は犯した。その後、その問題をデータサイエンスにより一晩でミスを回復する人物が現れたところ、ミスを犯した担当者がとんでもない事件をひき起こした。


それを研究所は隠蔽化するというので憤りを感じた3人の研究員が退職するという騒動が起きている。詳細は機会があれば書きたいが、それぞれ異なった職場へ転職したにもかかわらず、仕事の偶然ですぐ再会するというドラマが生まれている。

当方は、彼のおかげで福井大学客員教授をコニカへ転職後拝命している。不幸な事件から2年も経過していない時期であり、お互い転職先も知らせずの関係だったので感動的な出来事となった。


ただし、ここではHLBというオブジェクトの認識違いにより、犯罪に巻き込まれた被害者が転職しなければいけない事態となったことに注目していただきたい。認識違いが、それほどの大きな事件をおこすような間違いとなることを肝に銘じていただきたい。


ドラッカーは、「認識の違いは答えの違いを生み出す」と指摘していたが、その気づきでとんでもない事件を引き起こす人も出てくる。企業内で隠蔽化されるのは、データの捏造だけではない。


技術者あるいは研究者が、データサイエンスを身につけなければいけない理由の一つがここにある。皆がデータというオブジェクトを正しく認識できるようデータサイエンスを学んでいただきたい。

データサイエンスという手法は魔法ではなく、それが現代は常識となった。認識の違いが、大きくならなければ、このような事件は起きないだろう。


弊社では、データサイエンスが科学だけでは実現できないイノベーションを引き起こす視点でセミナー内容を構成しています。今月と来月は、生成系AIに焦点を絞り、その中で機械学習等解説いたします。

カテゴリー : 一般

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