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2024.08/04 材料のプロセシング

材料のプロセシングを誤解している人は多い。セラミックスでは粉体の混合から始まる。ゆえに粒子の大きさなど問題になりそうな因子が直感的に分かり、半世紀近く前のセラミックスフィーバーではゾルゲル法が盛んに研究された。


これが高分子材料になると、溶融状態で処理する場合が多いので、均一に混合されると誤解する。また、ラテックスの混合から製造された薄膜では、ラテックス粒子の大きさのまま薄膜のドメインが形成されていることを知らない人がいる。


2000年に行われた国研「高分子精密制御技術」では、混練が取り上げられ、ウトラッキーの伸長流動装置が検討されている。


これは、剪断流動で混練しようとする2種の高分子の粘度差が大きいと分散粒径が大きくなり、混練が進まないという結果が得られていたからである。


これを確認するために高速剪断混練機が試作され、1000回転以上の回転数でナノオーダーの高次構造を可能とする混練プロセスが実証されたが、スケールアップが不可能と言われた。


ちなみに、大型の混練機ではだいたい500回転前後が最大で、300kg/h以下の処理量の混練機で800回転が限界の様である。


そのため、粘度差があってもナノオーダーの分散が可能になるということで伸長流動装置が検討された。しかし、この装置も高速剪断混練機同様にスケールアップに限界があることがわかった。


セラミックスにしろ高分子にしろ、何らかの機能を持った成形体を作ろうとするとその材料の混合プロセスが問題となる。このプロセスについて未だ分かっていない事が多いために、コンパウンディングよりも成形プロセスに注力したりする。

カテゴリー : 一般 高分子

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