2016.01/30 「あの日」を読んで(1)
悲しく、また、哀れである。概略は、想定していた内容だった。まず、小保方さんに「生きて、STAP細胞を実現してください。」ということと、「もし生まれ変わるときには、技術者を目指してください。」、そして、「働く、という意味をもう一度学んでください」とアドバイスしたい。これが、読後の感想である。
当方は、STAP細胞は存在すると思っています。しかし、それが存在しないとしたならば、細胞のレオロジー解析が重要になってくると妄想している。なぜ、力学的刺激が与えられたときに、植物同様のSTAP現象が動物の細胞で起きないのかは、外部刺激の伝達が異なると仮定しているからだ。
これは、科学的根拠の無い技術者の妄想だが、この妄想は、昨年関連する文献を読むにつれ、強くなった。科学者には、真理の積み重ねで説明しなければいけない、という義務があるが、技術者は、そこから人類に有用な機能を取り出すことができるならば、妄想は自由だ。特許さえ書くことも可能だ。ただし、実現できる実施例を書くのが大変ですが---。
ところで、騒動に巻き込まれ、これまでの仕事ができなくなったらどうするのか。人生やり直しができれば良いのだが、また田崎つくるのように巡礼の旅をしてみても、結局は、今を一生懸命生きる以外に道は無い。
今を一生懸命生き抜くためには、過去の荒波に向かっていってはだめで、ささやかでも良いから貢献のできる環境構築を目指さなければいけない。知識労働者が貢献を考えるときに、自分の成果を他の人が活用してくれる道を探さなくてはいけません。だから他人に対して寛容にならなければいけないのです。
腹の立つことはあります。あいつだけは許せない、というのも類似の経験がある故に理解できます。しかし、それをどう乗り越え、次の人生を幸せに生きる道を選ぶのかは、少し頭を使わないといけません。この本を出版してしまったら、またしばらく騒動になり、いつまで経ってもSTAP細胞の研究なんかできる環境は戻ってこないような気がします。
この本は、もう少し手直しして10年ぐらい後に出版してもベストセラーになると思います。刺激的な内容を含んでいますから。また、10年あれば、貴女も新しい人生をスタートできていると思います。しかし、講談社の本としてあまり面白くありませんでした。当方の活動報告も、面白くない、と書いてくる友人がいますから、面白く書くためには才能が必要かもしれないが、10年構想を練れば、もっと面白い本になったような気がします。
しかし、寝食忘れ、仕事がばんばんできて、勢いつけて新しい挑戦ができる年齢は、あと10年ぐらいが限度だろうと自分の経験から思われます。その10年をこのような本を出版して短くしてしまったら、肝心のSTAP細胞の実現が遠のいてしまうような気がしています。今一番大切なのは、貴女が研究できる環境を得ることと、STAP細胞を実現することだと思います。そこに全エネルギーを注ぐことです。
小生も貴女に類似のごたごたがあり、やりたい研究とやらなければいけない仕事をあきらめ、全く異なる分野の仕事を25年前選択しました。誰かの歌のように「あの日に帰りたい」と今でも思うことがありますが、それはあくまで同期との楽しみの時間を持つ口実です。
カテゴリー : 一般
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