2024.08/14 コンピューターで問題を解く(1)
コンピューターを使って問題を解くためには、数理モデルを数式にして計算で解く方法と、数理モデルをそのままコンピューターでプログラムとして実行させる方法が知られていた。
生成系AIの登場で言語のまま、あるいは画像を使ったりして問題が解けるようになった。今のAIはSWOT分析も連関図も作ることができる。しかし、これらは自分で行うことをお勧めする。
理由は、SWOT分析にしろ連関図にしろ、あるいはそのほかFMEAなど各種手法は、その結果が重要ではなく、それらを作る過程を通してアイデアを整理するのが目的だからである。
コンピューターを使って問題を解くときに勘違いしてはいけないのは、何のためにコンピューターを使うのかという視点である。FMEAにしろ連関図にしろ人間が作ることにより、その目的と価値が生まれる。
コンピューターはそれを作るための補助的に用いるか、あるいはまったく無用かもしれないので、よく考えて問題解決していただきたい。アイデアを出したり、考えを整理したりするツール類は人間が主体となってそれを実行するときに価値を発揮する。
QCツールを正しく理解していない人が多い。ゴム会社の12年間で3人の研究開発本部長のご指導を受けたが、QCツールに対する考え方が異なっていた。
最初の本部長は、鼻であしらい現場の道具だと語られていた。二番目の本部長は研究者にも有効だと語られていた。3番目はFMEAを作ったところで品質問題は起きる、と軽蔑していた。
FMEAのようなツールは、作っておしまいではないのである。作る過程とそれを改定する努力が重要となるツールである。ゆえに作る過程でAIと相談しながら、という使い方は問題ないが、作成そのものを丸投げするのは意味がないのである。
現場の道具とか、作成しても意味がない、という評価は論外であり、QCツールの目的を理解していない。科学が生まれたのも真理を知るツールが必要だったからである。AIが常識となっても科学的活動は残る。
カテゴリー : 一般
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