2024.08/21 コンピューターで問題を解く(6)
パーコレーション転移という現象を数式で議論しようとすると、まず数式の意味を理解しなければいけないが、それを理解できたからと言って、すぐに配合と高分子高次構造との関係が見えてくるわけではない。
数理モデルで問題を解くときに、よく考えなければいけないのはこの点である。すなわち現象を数式で表すことは良いが、その表現の理解が難しいと、新たなアイデアに発展していかない。
数式の理解のために頭から湯気を出している状態ではだめである。そのようなときに直感で理解できるモデルをコンピューターの中でアルゴリズムを用いて再現できると、現象そのものをグラフ化できるので分かり易い。
すなわち数理モデルで問題を解く時にコンピューターを使うが、その時に直感で理解できるモデルを選択できないか、よく考えることは重要である。
数学としての正しさよりも、現象の再現性を高めた表現にはどのようなアルゴリズムがあり、そのアルゴリズムからグラフを描くところまで直感で理解できるかどうか、という点が重要な気がしている。
コンピューターの専門家ではないので、このようにやるとよい、とは書けないが、少なくとも当方は、コンピューターを使って問題を解くときに分かり易い表現をモデルから展開できるかどうかをまず考えてみる。
その点で、ダッシュポットとバネのモデルで高分子材料を記述するアイデアは、学術的には否定されていても捨てがたい。
分子の一次構造や,あるドメインの塊がバネとして機能し、分子の滑りや分散物とマトリックスの界面の滑りがダッシュポットと考えたりしてアイデアを展開できる。また、粘弾性試験機を利用しての確認も可能だ。
カテゴリー : 一般
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