2024.10/03 ユークリッド幾何学
今日、ユークリッド幾何学は義務教育のカリキュラムから外されている。しかし、当方の頃までは、義務教育課程で教えられていたし、高校でも半年間それを幾何学の授業として学習している。
ユークリッド幾何学が教えられなくなった背景に、直感に頼らなくてはいけない点であることを数学の教師から聞いたが、ヒューリスティックな能力を養う教材として適している。
すなわち、最初に補助線をどこに引くかにより解答が見えてくるユークリッド幾何学の方法は、全体と部分をスムーズに考察する能力を鍛えていると思う。
ユークリッド幾何学でなくても、解析幾何学でもいきなり数式で解いてゆくのではなく、全体の見通しを見て座標の置き方を考えるように指導された。
また、受験用参考書「チャート式数学」には、「結論よりお迎え」というチャートがあり、図形の問題も、証明における結論を見出すことにより、解が見えてくると教えている。
数学に限らず、この「結論よりお迎え」は重要で、第一次AIブームにおいて有機合成経路を考える手法として、逆合成という考え方がコーリーより提案されている。
第二次AIブームではエキスパートシステムしかできないことがわかり、新たな技術革新が重要ということで、トランスフォーマーを用いた生成系AIが登場する。
しかし、ChatGPTを用いても、「結論よりお迎え」は有効で、AIへの質問の仕方のノウハウとして活用でき、ハルシネーションを抑制できたりする。
ユークリッド幾何学における補助線も直感で考えてばかりいてはだめで、図形のどこを等しいと置くと証明を実現できるのか、と眺めれば、自然と補助線が見えてくる。但しこれには訓練が必要だ。
カテゴリー : 一般
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